「UDA×鈴木えみ(Lautashi)」ライブ対談第2弾 2020.8.7

鈴木えみがデザイナーを務めるアパレルブランド「Lautashi」とユーザーをつなぐ承認制有料コミュニティ「I to Lautashi(いとらうたし)」では、5月のコミュニティオープン以来、様々なゲストを迎えライブ対談やワークショップを開催している。
8月8日には、ライブ対談の初回ゲストでもあるメイキャップアーティストのUDA氏を再度お迎えして濃いトークを繰り広げた。
印象的だったフレーズは、「こういうものだと思ってることの半分くらいは、別にそうじゃなくても良かったりするというのを頭の片隅に置いてお化粧をするのがいいと思います。」でした。


鈴木えみ(以下、鈴木) 今日もよろしくお願いします!聞きたいことがいっぱいあって、コミュニティメンバーのいとらーさん達からも質問を募集したらたくさん来ました。まず、UDAさんとお仕事をしたことのあるビューティライターさんからです。
「UDAさんはいつもメンタルが安定していますが、怒ったりイライラしたりしないですか?どういう感じで生きているのかが知りたいです。」
——— UDA氏 めちゃめちゃイライラする時ありますよ。一応50歳なので、そんなにダイレクトに出せないかなというのはあるけど。笑 でも現場ではイライラすることはほとんどないかな。どちらかというと、駐車違反や一時不停止で捕まって絶対許してもらえない時にめちゃくちゃイライラする。笑

鈴木 毎日すごく忙しいスケジュールで睡眠時間もなかなかとれないこともあると思うんですけど、その中でも毎日欠かさずやってることは?
——— UDA 特にはないですね。ビール飲むくらいですかね。でも、自粛前に比べたら仕事が終わってアトリエに帰ってきた時にスイッチを切れるようになってます。前はやってなかったけど、音楽聴いてボーッとしてみたり、朝走ったり。何も考えないようにするために走る。最初のうちはいろいろ考えちゃうけど、疲れてくるとだんだん考えられなくなってきてただ前に進むようになってくると気持ち良くて、最後に歩き始めた時にアイデアがポンポン出てくる。

鈴木 UDAさんは常にいろんなことを考えていて、撮影の規模に関わらず真摯に向き合っている。ダメな時はないのかなって思うわけですよ。自分的に不真面目だなって思う時ってあります?こんなもんでいいかな、という姿勢になってるのを見た事がない。
——— UDA 正直、今までで一回もないかも。仕事なんですけど、基本好きでやってることだから手の抜きようがない。ただ、これまですごいペースで仕事をしてきて、コロナで1ヶ月くらいやらなくなって、その後わりと急にまた忙しくなっちゃったんですよ。その時はこのペースでやるのはキツいなと思う日が1〜2週間くらいありましたね。
20歳で化粧品会社に入って、この仕事を始めてかれこれ30年くらいになるんですけど、この仕事が嫌だなと思ったことはないです。

鈴木 化粧品会社に入った後にメイキャップアーティストになったきっかけは?
——— UDA 化粧品会社にこだわったというよりは、「メイクをして何かイメージを作る」ということを最終的にやりたいと思ったから、コスメが好きというのとは違った。いろいろやっていくうちに、イメージを作るのはもちろん化粧品会社でやることはできるかもしれないけど、会社の中だけじゃなく世の中に認められた人がやるべきなんだと思ってフリーになった。

鈴木 一つのイメージを作る時って、アートディレクターがいたり、カメラマンさんやスタイリストさんがいたり、いろいろな役割があるんだけど、UDAさんと撮影する時は自分の役割だけじゃなくて全体で見ることが多いじゃないですか。メイクじゃないところも一緒に画作りをする。中でも光をすごく大事にしてメイクをしていますよね。
——— UDA 光は一番大事です。「今日の光と友達になれるかな」という感覚。役割的にはフォトグラファーがそこをやってくれるんですけど、顔の一番近くで仕事をしているのは自分なので。光がどう来るかでその人の顔の見え方決まってくるので、そこが僕にとっては大事。見え方がわかればそこに対してこうなったらいい、こういうムードが出たらいいという考え方をしてる。

鈴木 人の顔はどういう風に見えてます?
——— UDA 上から下や、下から上に「流れ」で見てます。どこに見せ場を持ってくるかを考えてます。最初からパーツそのものが重要ということはあんまりないですね。

鈴木 最近私は黒マスクをしてるんですけど、前髪と黒マスクで目の印象が薄れる。前髪に隙間を作ってみたりアイラインに色を入れてみたりしてるんだけど、正解?
——— UDA いいと思う。えみちゃんのマインドとしてそっちに向かうのは工夫がされていていいと思う。

鈴木 マスクつながりで質問が来ています。「マスクでファンデーションがよれるのはどうしたらいいですか?」
——— UDA ファンデーションの考え方を少し変えてみるのは手かも。ファンデーションで油分や粉体を塗っていて、汗をかいて布で摩擦が起きるわけだから、それがとれないようにするにはどうしたらいいかとなってもなかなかの問題。ファンデーションを塗ることが当たり前と思ってきたけど、そもそもで考えた時にそうじゃないこともあり得るのかなと。ベースがあった上にパーツメイクしたバランスと、何もないところにパーツメイクした場合を比べてみる。そこでどのくらいベースをやったらいいか判断したらいいと思う。ファンデーションを塗らないことによって、より生き生きしたパーツメイクができるかもしれない。メイクの幅を広げるチャンスでもあるし、今までカバーしなきゃと当たり前のように思っていたことが半分くらいでいいんだと思えるかもしれない。そうしたら、新しい自分の顔の作り方ができてくると思う。

鈴木 ありのままの自分を上手に受け止めるということかな?
——— UDA 「こういうものだと思ってることの半分くらいは、別にそうじゃなくても良かったりする」というのを頭の片隅に置いてお化粧をするのがいいと思います。いつも見てるところだけじゃなくて、全然違うところにもお化粧のヒントはあるので、そういうところにも目を向けてみると、こういう方法もあるかもというのが見えてきたりするのかなと思います。

鈴木 では次の質問、「ニキビを上手に隠す方法は?」
——— UDA コンシーラーでいいんですけど、小さいブラシを使ったらいいと思います。リップブラシの1/5くらいのブラシで、点で塗り潰すみたいにやると目立たなくできるので、それも一つの方法かなと思います。

鈴木 「睫毛が下がらない方法は?」
——— UDA 下を向いてる睫毛もありなのかも、と考えてみるのもいいのかなと思います。物理的な戦いでしか無くなってしまうし、パーマをかける事が一番得策だなと思うんだけど、必ずしも下を向いていることがマイナスじゃないと思ってる。

鈴木 「バッチリアイメイクをしたいけど、上手にできない。どうしたらいいですか?」
——— UDA 濃い色を使いすぎると沈めていっちゃうので小さく見える場合もある。インラインもそう。目尻のラインを長くするのは結構長くても不自然にならないから、アイシャドウを使わずにアイラインを伸ばすと目の印象が変わってくると思います。

鈴木 「目の下のくまが気になります。どうしたらいいですか?」
——— UDA 厚塗りにしてカバーするという考え方じゃなく、印象を柔らげてあげることで目立たなくなる。赤味のクリームチーク(口紅でもOK)をファンデーションに混ぜてブラシでくまに塗ると見え方が変わる。市販のコントロールカラーだと明るすぎるんですよね。そして日本人の肌で考えると、白いコンシーラーはダメ。透明感で言えば、ペールトーンのラベンダーでいいと思うんですけど、くまをなんとかしたい場合にはコントロールカラーだと明るすぎる。

鈴木 「黄みがかった肌色が気になって明るめのコントロールカラーを使ってるけど、肌の違うところにポイントを置くことで仲良くできますか?」
——— UDA 肌の黄みはメイクが黄色めのトーンなら活かせると思うし、ピンクのチークは効き目がある。トーン自体をなんとかしたいなら、紫が一番効く。

鈴木 「顔のむくみを萎ませる方法は?」食事とかマッサージとかかな?
——— UDA 首の後ろをマッサージするのは効き目がある。基本的に流れが悪いってことなので、そこをまず考えてみるのがいいと思います。

鈴木 「肌が弱い人におすすめのベースメイクは何かありますか?」
——— UDA 出来るだけ負担をかけないことが大前提なので、出来るだけ量を減らすこと。毛穴はブラシでファンデーションを塗ると隠れやすい。

鈴木 「前回おすすめしてくださった美容オイルと化粧水を使っていますが、少し乾燥が気になります。重ねるクリームや乳液でおすすめはありますか?」
——— UDA 化粧水は5回くらいやってますかね?オイルは多くない方がいいので、軽いバームみたいなものがいい。仕事で何年も使ってるのは、ラロッシュポゼの保湿クリーム。化粧水で溶けるので、コントロールできていいと思う。

鈴木 ありがとうございました。今日はいっぱい聞けました。濃かった!!また質問がたまったら第3弾やりましょうね!


■「UDA」
国内外のエディトリアルや広告キャンペーン、ショーなどで活躍するほか、舞台や映画のメイクも多数手がける。幅広い表現方法を持つ稀有なメイキャッパー。

■「鈴木えみ」
1999年にモデルとしてデビュー。 2017A/Wに自身がデザイナーを務めるブランド「Lautashi(ラウタシー)」を発表。
2019年に開始されたアマゾンファッションの新サービス「The Drop」の企画では、アジア圏では初選抜され完売が続き話題となるなど、各方面でプロデュース能力が注目され、その活動は多岐に渡る。プライベートでは一児の母。

■「Lautashi」
2017年に鈴木えみが立ち上げたアパレルブランド。
コンセプトは、「求めるものは奥行きのある佇まいと存在感、 そして内面から湧き出るしなやかさ。 存分に力を発揮できるように、鎧となろう。」
2020プレフォールコレクションより、デザイナーが幼少期を過ごした90年代の上海での記憶をコレクションに反映。

■「I to lautashi」
あなたと私とラウタシーで”いとらうたし”な日々を共に過ごしていけたら、そんな思いで会員制の有料コミュニティを2020年5月1日にローンチ。
インスピレーション源や洋服作りのプロセスなどのメイキングを共有しつつ、ファッションだけにとどまらず様々な有意義な情報をシェアしコミュニケーションを取り、カスタマーとの密な距離感を目指す。
今後も積極的にライブ対談やオンラインワークショップを実施し、表面的ではない豊かさを常に意識したコンテンツを提供する。

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